UBEダイカストマシン事業の歴史紹介
History of UBE Die Casting Machine

~確かな技術と人柄で挑戦を続けるいいものづくり~

UBEマシナリーのダイカストマシン事業は、1960年のスタートから技術の研鑽と蓄積を続け、お客様と共に歩みながら、数多くのダイカストマシンを世界中に送り出してきました。
ダイカストマシンのトップメーカーとして、これからもお客様からの信頼、ご期待にお応えしながら、グローバルに活躍できる高性能、高品質なダイカストマシンをご提供してまいります。

UBEのダイカストマシン事業のあゆみ

ダイカストマシン事業の始まり

ダイカストマシン事業は、当時当社中心事業であった石炭掘削関係機械の製作から、新たな分野での機械製作進出を模索する中で始まった。
1960年に米国の油圧プレスメーカーであるレークエリー社と技術提携、「今後、国内で急速に発展するのは自動車産業のアルミ製品」と考え、ダイカストマシン製作を開始、1962年に1号機である850トンマシンを受注した。翌年には型締力2200トンマシンを受注、レークエリー社の技術を基にUBE独自の工夫と改良を加え、当時の世界最大型締力を有したマシン実現に至った。同年、まだ自動車会社でのダイカスト内製が主流でなかった時代に、技術説明・導入後の技術指導を含めた売り込みを展開し、自動車会社向けとしての1号機である1200トンマシンを受注。
こうして、UBEのダイカストマシン事業が始まり、国内自動車メーカー、ダイカストメーカーへの販売を広げていった。

1962
ダイカストマシン1号機(型締力:800トン)が完成

国産最大(当時)の型締力を誇るマシンを製造

ダイカストマシン1号機
ダイカストマシン1号機

1963
世界最大(当時)の大型ダイカストマシンを開発

汎用機として型締力:2200トンのマシンを納入

独自技術の進展

1970年代後半から80年代前半は新技術の開発と確立に取り込んだ。
第一次オイルショックを経たことで「今後、自動車業界は燃費削減に向かい、軽量化の手段としてアルミ部品の採用が増加する」と考え、それらをより効率的に、高い品質で実現するための様々な技術を開発した。1976年には鋳バリを減らすことで仕上げ工程の簡略化、無人運転による省人化を狙う「UNI-FF」を開発。1982年には当時生産が増加していたAT車用トランスミッションにおける鋳巣の削減を目的として「GFシステム」を開発。
また、1976年には自動車用軽量アルミホイール製造設備としてスクイズキャスティングマシンを開発。鋳造法と鍛造法の長所を合わせるという発想で、鍛造法に匹敵する品質の製品を全自動で生産する設備を実現した。
蓄積した設備技術と鋳造技術の観点を融合させた独自の開発により、国内外のユーザーに大きな影響を与え、UBEのダイカストマシンは進展していった。

1976
バリ防止減速機構「UNI-FF」を開発

世界初のコンピューター制御による全自動ダイカストマシン

アルミニウムの鋳込み、金型のスプレー、取出し工程へのコンピューター採用

国内自動車業界などから受注を獲得

UNI-FF
UNI-FF外観

スクイズキャスティングマシン1号機を開発

自動車用アルミホイール製造を目的

旧来法と比較してデザインの自由度が高くなることから、業界の評価を得て販売を伸ばす

スクイズキャスティングマシン1号機
スクイズキャスティングマシン

1978
UBE Industries (America) Inc.を設立

UBE製品の販売とサービスを目的とする初の米国拠点をニューヨーク市に設立

1982
新たな真空ダイカスト法「GF(ガス・フリー)システム」の開発

鋳巣の発生原因となる空気の巻き込みを出来る限りなくす構造

従来の2分の1から3分の1ほどの鋳造圧力で成形できるなどの特徴を持つ

GF(ガス・フリー)システム
GFシステム

米国への進出・海外への足掛かり

1970年代には自動車メーカーを含め多数の受注を獲得し、日本市場の地位を向上させていた。
そんな中、海外へ目を向けると欧米での販売実績がない商品に対しての信頼が薄く、土俵にすら上がらせてもらえない状況であった。
そこで当社はアメリカの市場開拓へ舵をきっていく。
1979年にはビッグスリーのFORDから大型受注を獲得。続いてGMと供給先を広げることに成功していった。
バリの出ないダイカストマシン「UNI-FF」の品質向上を貫き通したUBEの技術力が評価された結果であった。

1984
UBE Industries America ミシガン支店(アナーバー市)を開設

米国デトロイト近郊アナーバー(Ann Arbor)に成形機事業のサービス拠点を設立、今日の北米事業の礎を築く

1992年 ミシガン支店はUBE MACHINERY SALES INC.として独立し、事務所・倉庫を拡充

1996年 現在の「UBE MACHINERY INC.」へ社名変更

エンジニアリング・製造・サポートを行う製造工場を建設し、ダイカストマシン、射出成形機の組立を開始

UBE MACHINERY INC.外観
UBE MACHINERY INC.外観

地盤固めと新たな領域への挑戦

1985年プラザ合意の影響により円高が進み、80年代後半は日本の産業が輸出中心から内需中心へとシフトチェンジしていった。
そのような状況下でも、確かな技術力を評価されUBEは海外自動車メーカーへ数多くのマシンを納入、国内向けには中小型マシンでの新機種開発、ラインナップの整備・拡大を図り、自動車部品の軽量・高性能化や電子機器部品の高品質化に応えていった。
また、世界初の横型締×竪射出の機構を備えたスクイズキャスティングマシンを開発し、耐圧、熱処理部品にも対応領域を拡大した。
現在まで続く「お客様のご要望を良く聞き、今までにない発想で挑戦する技術のUBE」の基盤がこの時代に確立された。

1986
トグル式ダイカストマシン「Gシリーズ」
(型締力:140~800トン)

全長短縮によるスペース生産性向上、ドライサイクル短縮を特徴とした全面的なモデルチェンジ機

Gシリーズ
Gシリーズ

1986
スクイズキャスティングマシン「HVSCシリーズ」
(型締力:250~850トン)

世界初の横型締、竪射出の機構を備えたスクイズキャスティングマシン

従来のダイカスト法と溶湯鍛造法を組み合わせた特長を持っており、耐圧性、熱処理部品にも対応

HVSCシリーズ
HVSCシリーズ

1987
世界最大(当時)の型締力:4000トンのダイカストマシンを国内ユーザー様向けに納入

Gシリーズ大型ダイカストマシン
Gシリーズ大型ダイカストマシン

世界へ飛び出すグローバルスタンダード機へ

1990年代から日本経済は景気後退が進んでいった。民間の設備投資が勢いを失い、また円高が進行して輸出産業が大きな打撃を受ける厳しい冬の時代である。
この時代を乗り越え、力を蓄えて大きく飛躍しようと当社はソフト・ハードを一新した新機種の開発を断行。
作業環境の安定化や製品品質向上を目標に、独自開発したサーボバルブによる射出制御技術、クイックトグル化などの次世代技術を盛り込んだプロトタイプ機の開発まで漕ぎつけた。
2000年代には改良を加え、発展させたグローバルスタンダード機を完成させ、国内外で好評を博している。

世界環境は変化し続ける。今も挑戦は続いている。

1997
トグル式中型ダイカストマシン「NXシリーズ」
(型締力:350~850トン)

射出速度制御にサーボモータを用いた「S-DDV」、クイックトグル、ワイドプラテンを採用、次世代技術を数多く搭載した革命的マシン

NXシリーズ
NXシリーズ

2001
中国に宇部興産機械(上海)有限公司を設立

拡大する中国自動車市場における生産、販売、アフターサービスを一貫して担う拠点として設立

宇部興産機械(上海)外観
宇部興産機械(上海)外観

2002
トグル式中型ダイカストマシン「iSシリーズ」
(型締力:375~850トン)

NXシリーズの次世代技術を更にブラッシュアップさせた中型グローバルスタンダードマシン

業界最大の型締力と射出基本性能の大幅な向上、タッチパネル操作が特徴

iSシリーズ
iSシリーズ

2006
大型ハイブリットダイカストマシン「UHシリーズ」を開発
(型締力:1250~2500トン)

2プラテン、業界初の射出側タイバー抜き装置の採用により省スペース化

型締動作の油圧・電動ハイブリット化、サーボポンプを標準採用した省エネマシン

UHシリーズ
UHシリーズ

2010
大型油圧トグル式ダイカストマシン「iVシリーズ」を開発
(型締力:1250~3550トン)

省エネサーボポンプI-StopServoを標準搭載した大型グローバルスタンダードマシン

新開発の射出制御バルブHS-DDVにより10m/sの超高速射出を実現し、あらゆる製品に対応

iVシリーズ
iVシリーズ
省エネサーボポンプ
省エネサーボポンプ
超高速射出制御バルブ
超高速射出制御バルブ

2010
好評のiS機後継「iS2シリーズ」を開発
(型締力:375~1100トン)

ユーザーフレンドリーな画面スイッチ式操作盤へ変更し、操作性・視認性を向上

業界初(当時)型締力:1100トンのマシンをラインナップ

iS2シリーズ
iS2シリーズ
データ設定画面
データ設定画面

2014
ダイカストと低圧鋳造のハイブリッドマシン「HFC」を開発

『低圧鋳造』 × 『スクイズ』の充填工程に空圧と油圧の双方を利用した新コンセプトマシン

HFCシリーズ
HFCシリーズ

2016
環境調和型ダイカストマシン「iS3シリーズ」を開発
(型締力:530~1300トン)

電動型締のオプション化・省エネサーボポンプを標準搭載し、CO2削減へ寄与

パワーアップした新開発射出S-DDVⅡにより、様々なEV化部品へ対応

iS3シリーズ
iS3シリーズ

2022
大型油圧トグル式ダイカストマシン「iV2シリーズ」を開発
(型締力:1250~6500トン)

ロングセラーiVシリーズのICT技術を強化し、生産性・製品品質向上に特化した新大型グローバルスタンダードマシン

新開発のES射出により、従来の鋳造機を圧倒する短時間充填を実現

国内メーカーでは初めて6500トンのマシンをラインナップ

iV2シリーズ
iV2シリーズ

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UBEマシナリー株式会社
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ダイカストマシン営業部

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